Close CRM 初期設定ガイド 2026 — 営業パイプラインを30分で立ち上げる手順
Close CRMのアカウント設定から、営業パイプライン作成・SmartViews設定・シーケンス(メール自動化)まで。SalesforceやHubSpotから移行する際の注意点も含む、スタートアップCEO・営業責任者向け実践ガイド。
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エンジニアのゆとです。
Close CRMを契約した後、最初の設定でつまずく人が多い。公式ドキュメントは英語でそれなりに充実しているが、「どの順番でやればいいか」は書いていない。
この記事では、アカウント作成から最初の商談が動くまでのステップを整理した。機能のレビューや他のCRMとの比較は別記事に任せる。ここは「Close CRMを使うと決めた人が最初に読む」記事だ。


Close CRMの設定を始める前に確認すること
設定を始める前に、3つだけ整理しておくといい。
誰が使うか
Sales担当が専任でいるのか、CEOが自分で営業しているのかで、パイプラインの設計が変わる。複数人で使う場合は、SmartViews(後述)の設計が重要になる。まずは実際に日常使いする人間を把握しておく。
既存データはあるか
Excelのリスト、HubSpotのエクスポートデータ、Notionでまとめた顧客情報——何かしらある場合は、CSVで書き出せる形に整えておく。後のステップでインポートできる。何もなければここは飛ばしていい。
Close CRMの基本概念を把握する
これが意外と詰まるポイントで——Close CRMは「Lead(リード)」が最小単位になっている。ContactもOpportunityも、Leadの中にぶら下がる形になっている。SalesforceやHubSpotだと「Contact」と「Company(Account)」が並列に存在するが、Closeは違う。用語体系がそもそも違うので、頭の切り替えが必要だ。
Lead: 基本単位。1社または1案件に対して1つ作る。
Contact: Lead内に複数作れる。担当者の連絡先情報。
Opportunity: Lead内に複数作れる。案件(商談)の金額・確度・パイプラインステージを管理する。
Activity: Lead内で起きた行動の記録。電話・メール・メモなどすべて。
Step 1: アカウント設定とチームメンバー招待
トライアル登録後、まず設定しておくべき項目がある。
ワークスペース基本設定
Settings → Organization から、ワークスペース名とタイムゾーンを確認する。タイムゾーンは日本時間(Asia/Tokyo)に変えておかないと、シーケンスの送信タイミングがズレる。見落としがちだが、最初に直しておかないと後でシーケンス設定のたびに確認が必要になる。
チームメンバーの招待
Settings → Users から招待できる。権限は Admin と Member の2種類。Admin はメンバー管理・請求・全データへのアクセスが可能。Member は自分のリードと担当案件の操作が中心になる。
CEOと営業担当が同時に使う場合、どちらも Admin にしておくと管理が楽だ。チームが10人を超えてきたらロール設計を見直すタイミング。
メール・電話の接続
Settings → Integrations からGmailまたはOutlookを接続する。これをやらないとClose上でメール送受信ができない。つまりシーケンスが使えない。最優先で設定しておく。
電話機能は、Close内蔵の電話番号を取得するか、外部電話番号を転送設定するかを選ぶ。電話営業をしないチームは後回しでいい。
Step 2: パイプライン(Pipeline)を作る
Closeのパイプライン管理の中心は「Status(ステータス)」と「Status Group(グループ)」だ。
StatusとStatusGroupの考え方
Status Group は商談の大まかなフェーズ分け。デフォルトでは「Active」「Inactive」の2グループがある。
Status はその中の各ステージ。たとえば Active グループの中に「新規」「アポ設定」「デモ実施」などを並べる形になる。
HubSpotのDeal Stageと似た概念だが、Closeは「LeadのStatus」と「OpportunityのStatus」が別々に存在するので、最初は混乱しやすい。Opportunityのパイプライン設定が、いわゆる「営業ステージ管理」に当たる。
自社プロセスに合わせたステージ設計
Settings → Pipelines からOpportunityのステージを設定できる。最初から全部作ろうとすると詰まるので、まずは実態に近い5〜6ステップで始めるのを勧める。
シンプルなB2B SaaSのパイプライン例:
- 新規(Discovery)
- アポ設定済み(Meeting Scheduled)
- デモ実施済み(Demo Done)
- 提案書送付(Proposal Sent)
- 検討中(Evaluation)
- 成約(Won)
- 失注(Lost)
Won と Lost は必ず別グループ(InactiveまたはClosedグループ)に入れておく。ここを混在させると、SmartViewsのフィルタリングが汚くなる。
複数パイプラインが必要なケース
製品ラインが2本以上あるか、エンタープライズ営業とSMB営業でプロセスが全然違う場合は、パイプラインを分けることを検討する。ただし最初から分けすぎると管理が複雑になる。まず1本で始めて、3ヶ月使ってみてから判断するのが現実的だ。
Step 3: カスタムフィールドを設定する
デフォルトのフィールドだけでは足りない情報を、カスタムフィールドで補う。
Settings → Custom Fields から Lead・Contact・Opportunity それぞれにフィールドを追加できる。
よく使われるフィールドの例:
- Lead: 業種、従業員規模、流入チャネル、担当営業
- Contact: 役職、部署
- Opportunity: 年間契約額、契約開始予定日、競合候補
入れすぎに注意したい。フィールドは増やすほど入力の手間が増えて、誰も埋めなくなる。最初は5〜7項目が実用上限だと思っている。「本当にこれ毎回入力するか?」と自問してから追加するほうがいい。
Step 4: SmartViewsの設定
SmartViewsはClose CRMの中で特に気に入っている機能で——一言で言うと「保存済みの絞り込みフィルタ」だ。
左サイドバーに並べておけるので、「今日フォローすべきリード」や「デモ後に提案できていないリード」を一クリックで出せる。この機能があるかないかで、日々の使い勝手が全然違う。
すぐ使えるSmartViews例
今日フォローすべきリード 条件: Lead Status = Active、かつ Last Activity が7日以上前
2週間以上連絡なし 条件: Lead Status = Active、かつ Last Activity が14日以上前
デモ完了・未提案 条件: Opportunity Status = “デモ実施済み”、かつ Opportunity Status が “提案書送付” でない
今月クローズ予定 条件: Opportunity Close Date が今月末以前、かつ Opportunity Status が Active
チーム共有SmartViews
SmartViewsはメンバーごとに個別設定できるほか、管理者が作成してチーム全体に共有することもできる。「全担当のフォローアップ漏れ一覧」などはマネージャー視点で作っておくと便利だ。
Step 5: シーケンス(メール自動化)を設定する
Sequencesは、メール・タスク・コールのリマインドを日程通りに自動スケジュールしてくれる機能だ。
ざっくり言うと「このリードには3日後にメールを送って、7日後にリマインドして、14日後に別のメールを送る」という流れを、一度設定すれば自動でこなしてくれる。
シーケンスの基本設計
アウトバウンド営業の定番シーケンス例:
- Day 0: 初回アポ依頼メール
- Day 3: リマインダー(返信なしの場合)
- Day 7: 参考コンテンツ送付(導入事例など)
- Day 14: 最終フォロー
4ステップでシンプルに始めるのを勧める。複雑なシーケンスほど、途中で「このメール文面は違う」と気づいたときの修正コストが高い。
手動登録と自動トリガー
Sequenceへのリード登録は手動でも自動でもできる。最初のうちは手動登録で「このリードをこのシーケンスに入れる」という判断を自分でやる方が、実際の効果を把握しやすい。自動トリガー(特定のステータス変更時に自動登録)は、運用に慣れてから設定するのがいい。
Unsubscribeリンクの設定
シーケンスメールには必ず配信停止リンクを入れること。Close CRMにはデフォルトのUnsubscribeリンクが用意されているが、英語表記になっている。日本語のメールを送る場合は、フッターの文言を日本語に調整しておく。CAN-SPAMやGDPRへの対応として最低限必要な設定だ。
SalesforceやHubSpotから移行する際の注意点
用語体系の違い
前述した通り、CloseはLead中心の設計だ。HubSpotのContact・Company・Deal という3層構造とは発想が違う。CSVインポート前に、どのデータをLeadとして、どのデータをContactとして整理するかを決めておく必要がある。
HubSpot Company → Close Lead(1対1でマッピングが基本) HubSpot Contact → Close Contact(Lead内に複数作成) HubSpot Deal → Close Opportunity(Lead内に紐付け)
CSVインポート時のフィールドマッピング
Settings → Import から CSVインポートができる。カラム名がCloseのフィールド名と一致しない場合は、画面上でマッピングを指定する。カスタムフィールドを先に作っておかないと、インポート先として選べないので、Step 3をやってからデータ移行に入る順序が重要だ。
HubSpotのシーケンスをClose形式に変換する考え方
HubSpotのWorklows(メール自動化)は、Closeでは Sequences に相当する。ただし設計思想が違っていて、HubSpotはマーケティング起点(リスト全体に一括配信)なのに対して、CloseはSales起点(個別リードに対して起動)だ。移行の際は「このworkflowは誰に、何のために送っていたか」を整理してから、Closeのシーケンスとして再設計するほうが結果的に早い。
完全移行より小チームで試す
HubSpotやSalesforceから全データを一気に移行するより、まず新規リードだけCloseで管理してみることを勧める。操作に慣れた上で既存データを移行した方が、設定のやり直しが少なくて済む。
FAQ
Q: Close CRMのLeadとContactの違いは何ですか?
LeadがClose CRMの基本単位で、1社または1商談に対して作る。ContactはLeadの中に複数作成できる担当者の情報。HubSpotのように ContactとCompanyが並列で存在する設計とは違うので、最初に頭を切り替えておくと詰まりにくい。
Q: GmailやOutlookをClose CRMと連携する手順は?
Settings → Integrations → Email から、GmailかOutlookのアカウントを接続できる。OAuth認証でログインするだけで完了する。連携後はClose上でメールの送受信・トラッキング・シーケンス送信がすべてできるようになる。
Q: Close CRMのデータをSalesforceに移行することはできますか?
Close CRMは Lead・Contact・Activity などを CSV でエクスポートできる。ただし Salesforce への移行は、フィールドマッピングが複雑になる。Salesforce 側のカスタムフィールド設計に合わせて、CSV を変換・整形する作業が別途必要になる。専任の担当者がいない場合はデータ移行ツール(Stitch Data など)の利用を検討するのが現実的だ。
Q: SmartViewsはチームで共有できますか?
できる。作成時に「Share with team」を選ぶと、同じワークスペースのメンバー全員のサイドバーに表示される。チーム共有のSmartViewsは管理者が作成・編集できる。個人用と共有用を使い分けることで、マネージャーが全員分のフォロー状況を確認するビューと、個人が自分の担当リードを管理するビューを分けられる。
Q: シーケンスメールが届かない場合はどう対処しますか?
まず確認するのは、メールアカウントの接続が有効か(Settings → Integrations)。次に、リードのContact に正しいメールアドレスが入力されているか。その上で、送信ログ(Sequence の Activity タブ)でエラーメッセージを確認する。GmailやOutlookの送信制限(1日の送信数上限)に達している場合も、この画面でわかる。
まとめ
Close CRMの初期設定は、順番通りにやれば30分〜1時間で最初の商談を動かせる状態になる。
- アカウント設定とメール連携
- パイプラインのステージ設計
- カスタムフィールドの追加
- SmartViewsで日々の視点を整える
- シーケンスで初回アウトバウンドを自動化
HubSpotやSalesforceから移行する場合は、用語体系の違いを先に把握しておくのが最短ルートだ。完全移行より、まず小チームで新規リードだけCloseで動かしてみるアプローチを勧める。
Close CRMの機能詳細や料金比較は、以下の記事で確認してほしい。


