Amplemarket vs Apollo.io 比較 2026 — GDPR思想の欧州発ツールと物量の北米最大手、フリーランスエンジニアはどっちを選ぶか
Amplemarketの料金(Startup $600/月〜)とApollo.io(Basic $49/月〜)を実際の数字で比較。GDPR設計思想の違い、G2評価の内訳、自分の受注営業とクライアント支援案件それぞれでどっちを選ぶべきかを2026年最新情報でまとめた。
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エンジニアのゆとです。
前にApollo.ioのレビュー記事を書いたとき、コメントで「Amplemarketは検討しないんですか」と聞かれた。正直、名前は知ってたけど中身をちゃんと見たことがなくて、その場では答えられなかった。
で、今回ちゃんと両方の料金ページと機能を見比べてみたら、単純に「どっちが安いか」「どっちが多機能か」では比較にならないくらい、作られてる思想が違うツールだった。
Apollo.ioは「とにかくデータ量と価格で殴る」設計。Amplemarketは「精度とコンプライアンスで殴る」設計。同じ「BtoBリードジェネレーション」というカテゴリにいるけど、目指してる場所が違う。
この記事では、両者の料金・思想・実務での使い分けを、フリーランスエンジニアの視点で整理した。自分の受注営業に使うか、クライアントの営業DX支援案件で提案するか、その2つの軸で見ていく。
Amplemarket と Apollo.io、何が違うのか
まず結論から言うと、僕がこの2つを見て感じた一番大きい違いは「拠点と思想」だ。
Apollo.ioはサンフランシスコ発、2億6,500万件以上のコンタクトデータベースを武器に、とにかく物量で押す。無料プランから始められて、自分でクレジットカード情報も入れずに触れる。典型的なPLG(プロダクト・レッド・グロース)型のSaaSだ。
Amplemarketはサンフランシスコとリスボン(ポルトガル)の2拠点を持っていて、創業者もポルトガル出身のミカエル・オリベイラ氏とバタリャ兄弟だ。GDPR・英国データ保護法・スイスのデータ保護法まで含めて、標準契約条項(SCC)やEU-US Data Privacy Frameworkに準拠した設計をトップページで明示的に打ち出している。料金プランも「まず年間契約から」という前提で、Apollo.ioみたいに無料でこっそり触るという入り口が用意されていない。
拠点: アメリカ・サンフランシスコ
データベース: 2億6,500万件以上のコンタクト / 7,500万件以上の企業情報
G2評価: 4.8/5(7,000件以上のレビュー)
料金モデル: 月額固定 + データクレジット従量制、無料プランあり
営業モデル: セルフサーブ(自分でカード登録なしに使い始められる)
拠点: アメリカ・サンフランシスコ / ポルトガル・リスボンの2拠点
G2評価: 4.6/5(571件のレビュー)
料金モデル: 年間契約前提、プラン内に人数・データ量がバンドル
コンプライアンス: GDPR、SCC、EU-US Data Privacy Framework、英国・スイス拡張に対応
営業モデル: デモ予約が基本の営業主導型(フリープランなし)
この時点でもう、想定してる顧客層が違うのがわかる。Apollo.ioは「個人でもまず触ってみて」、Amplemarketは「ちゃんと予算組んで契約してくれる会社向け」というスタンスだ。
料金プランを実際の数字で比較する
ここが一番実務的に重要なところなので、両方の最新プランを並べる。
Apollo.ioの料金(年払い時のユーザーあたり月額)
無料プランはずっと無料。メールアドレスのリビールが月10件、シーケンスは2つまで。Basicは$49/ユーザー/月、Professionalは$79/ユーザー/月、Organizationは$119/ユーザー/月(最低3席から)。詳しいクレジット体系は前回のApollo.io単体レビューで書いたので、ここでは割愛する。
Amplemarketの料金(年間契約)
Startupプランが$600/月(年間契約)。ここにユーザー2人分と、コンタクト27,000件/年、メール認証13,500件/ユーザー/年、電話番号600件/ユーザー/年、ジョブチェンジアラート500件までが含まれる。Growthプランはユーザー4人分、コンタクト14万件/年で、料金はカスタム見積もり。Eliteはユーザー10人分、コンタクト40万件/年で、こちらもカスタム見積もり。
数字だけ見ると「Amplemarketの方がコンタクト単価は安そう」に見えるかもしれないけど、実際にチーム規模で計算すると印象が変わる。
| 項目 | Apollo.io Professional(5人) | Amplemarket Startup(2人まで) |
|---|---|---|
| 月額 | $395 | $600 |
| 年額 | $4,740 | $7,200 |
| カバー人数 | 5人 | 2人まで |
つまりApollo.ioなら5人チームを年間$4,740で運用できるところ、Amplemarketは2人しかカバーしない最安プランで年間$7,200かかる。5人チームでAmplemarketを使おうとすると、4人までしか含まれないGrowthプラン(カスタム見積もり、非公開)に上がる必要があって、そこはさらに割高になると見ていい。
正直に言うと、これはAmplemarketが悪いというより「対象顧客が違う」という話だ。Apollo.ioは個人〜小規模チームの自助努力を前提にしてる。Amplemarketは、ある程度資金調達をしていて営業チームに予算を割けるスタートアップやセールスチームを前提にしてる。だから無料プランもなくて、いきなりデモ予約から始まる営業主導の導線になってる。
データ精度とG2評価から見る実力差
料金だけじゃなくて、実際の使い勝手の評判も見ておく必要がある。G2の直接比較ページを見ると、面白い結果が出ていた。
総合評価はApollo.ioが4.8/5(7,000件以上のレビュー)、Amplemarketが4.6/5(571件)。数字だけ見るとApollo.ioが優勢に見える。ただ項目別に見ると逆転してる部分がある。
自動メール配信の評価はAmplemarketが9.4、Apollo.ioが8.5。リードフォローアップはAmplemarketが9.0、Apollo.ioが8.4。サポート品質はAmplemarketが9.3、Apollo.ioが8.8。一方で検索機能はApollo.ioが9.1、Amplemarketが8.9とわずかに上回っていて、セットアップのしやすさ・使いやすさの総合評価もApollo.ioの方が高いという結果だった。
つまり「データを探す・広く網羅する」のはApollo.io、「見つけたリードに対して丁寧にフォローする・配信精度を上げる」のはAmplemarketが強い、という棲み分けになっている。
データの精度についても、第三者の比較記事ではAmplemarketが独自の「ウォーターフォール型」データエンリッチメントを採用していて、追加設定なしでもバウンス率3%未満を実現しているのに対し、Apollo.ioは15〜25%程度という数字が紹介されていた。ただしこれは競合サービス側の比較記事に載っていた数字で、Amplemarket側に有利な文脈で書かれている可能性がある。鵜呑みにせず、実際に自分のターゲットリストで試してから判断した方がいい。
フリーランスが自分の受注営業に使うならどっちか
僕自身のことで考えると、正直この2つはスタート地点で結論が出る。
Amplemarketには無料プランがない。デモを予約して、営業担当と話して、最低でも$600/月・年間契約からのスタートになる。フリーランスが「自分の営業リストを試しに作ってみたい」という温度感で入るには、ハードルが高すぎる。
Apollo.ioなら無料プランでクレジットカードなしに触れて、月10件のリビールでも「どんなデータが取れるか」の感触は掴める。本格的に使うにしても、Basicの$49/月なら個人の予算感でも現実的だ。
なので「自分ひとりでリード探しを試してみたい」というフェーズなら、Apollo.io一択になる。Amplemarketは検討の土俵にすら乗らない、というのが正直なところだ。
クライアントの営業DX支援案件で勧めるならどっちか
ここが今回一番書きたかった話で、案件として「クライアントにどっちを勧めるか」は状況次第で答えが変わる。
判断軸は3つある。予算規模、チーム人数、そして扱うデータの地域だ。
予算に余裕があって、営業チームが3〜10人規模で、かつ既にある程度アウトバウンドの型ができている会社なら、Amplemarketを検討材料に入れる価値がある。特にEUの取引先を持っていたり、将来的にヨーロッパ展開を視野に入れている会社なら、GDPR対応をプラットフォーム側が標準で担保してくれるのは地味に効く。法務側の確認コストが下がる。
逆に、スタートアップしたばかりで営業体制がこれから、予算も限られている、まずは量をこなして型を作りたいという段階のクライアントには、Apollo.ioの無料プランかBasicから始めるのが現実的な提案になる。導入コストの低さと、Salesforce・HubSpotとの連携の手軽さも含めて、初速を出しやすい。
日本語対応については、両方ともUIは英語オンリーで大きな差はない。データの中身についても、Apollo.io側は既存記事のFAQで「日本企業のデータも含まれるが米欧に比べると鮮度・量で差がある」と書いた。Amplemarketについては日本市場向けの言及が公式サイト上に見当たらず、正直なところ検証できていない。日本国内向けの案件なら、どちらを選ぶにしても国内特化のリードジェネレーションサービスと併用する前提で考えた方がいい。
AIエージェント機能の違い
もう一つ、実務で気になるのがAI機能の中身だ。
Apollo.ioはProfessional以上でAIアシスト付きのメール作成が使える。相手のプロフィールや直近のアクティビティをもとにパーソナライズした文面を生成する、いわゆる「アシスタント型」のAIだ。
Amplemarketは「Duo」という名前でAI機能群をブランド化していて、Duo Copilotが商談リサーチ・アウトリーチ文面のドラフト・購買シグナルの検出まで自動でやる「AIエージェント型」の設計になっている。上位プランに上がるとDuo Voice(電話対応)、Duo Inbox(受信箱の自動仕分け)まで追加される。公式では「週10時間以上の削減」を謳っている。
ここも思想の違いが出ていて、Apollo.ioのAIは「人間の作業を助ける」寄り、Amplemarketの「Duo」はもう少し「人間の代わりに動く」寄りに振り切っている印象だ。AIエージェントを使った営業自動化のパイプラインをクライアントに提案する案件なら、Amplemarketの設計思想の方が参考になる部分は多い。
向いているケース・向いていないケース
Amplemarketが向いているケース
年間契約の予算が確保できて、EU圏との取引やGDPR対応が実務上重要な会社。データ精度・配信効果を優先したいチーム。AIエージェントに営業プロセスの一部を任せる前提で設計したい会社。
Amplemarketが向いていないケース
個人・小規模での試験導入。予算を最初から大きく張れない段階のスタートアップ。無料でまず触ってみたいというニーズ。
Apollo.ioが向いているケース
個人や少人数からスモールスタートしたいチーム。とにかくデータ量とコスパを優先したい場合。無料プランで「まず触ってみる」を優先したい場合。
Apollo.ioが向いていないケース
EU圏のコンプライアンス対応をプラットフォーム側にある程度任せたい場合。クレジット管理の煩雑さを避けたい場合。
FAQ
Q. Amplemarketに無料プランはありますか?
ない。デモ予約または無料トライアルの申し込みから始まる営業主導の導線で、Apollo.ioのような「永続無料プラン」は用意されていない。
Q. 個人事業主・フリーランスでもAmplemarketを契約できますか?
契約自体は可能だが、最低でも$600/月(年間契約)からで、しかもユーザー2人分がセットになっている料金設計なので、個人での費用対効果は正直厳しい。営業チームがある会社向けの設計だと理解しておいた方がいい。
Q. GDPR対応が必要ないなら、Amplemarketを選ぶ理由はない?
そう言い切れるわけではない。GDPR以外にも、データ精度・自動フォローアップの評価がAmplemarketの方が高いというG2の項目別スコアがある。EU圏との取引がなくても、配信精度を重視するなら検討の価値はある。
Q. 両方同時に使うことはあり得ますか?
理屈の上ではあり得る。例えばApollo.ioで幅広くリストを作って、精度が重要な一部のセグメントだけAmplemarketで仕上げる、という使い分けを提案しているコンサル系の記事も見かけた。ただしコストは単純に2倍になるので、予算に余裕がある案件でないと現実的ではない。
まとめ
Amplemarket と Apollo.io は、同じ「BtoBリードジェネレーション」というカテゴリの中でも、明確に別の哲学で作られたツールだった。
Apollo.ioは物量とコスパで攻める北米発のセルフサーブ型。Amplemarketはデータ精度とコンプライアンスで攻める、欧州の血が入った営業主導型。どっちが優れているという話ではなくて、フリーランスが自分の営業に使うならApollo.io一択、クライアントの営業DX支援案件で提案する場合は予算規模とEU取引の有無で判断する、というのが今回整理して出た結論だ。
自分の営業リストをまず試してみたいなら、無料で触れるApollo.ioから入るのが素直な選択肢になる。
一方で、GDPR対応やデータ精度を重視するクライアント案件を持っているなら、Amplemarketも選択肢に入れて損はない。



