OpenClawを使ってみて感じたこと + ZeroClawへの期待
AIエージェントランタイム「OpenClaw」を数週間使った体験談と、Rust製の後継「ZeroClaw」に期待すること。RAM消費・コスト・セットアップの実体験をまとめました。
エンジニアのゆとです。ここ数週間、Mac miniで「OpenClaw」というAIエージェントランタイムを動かしていました。
結論から言うと、OpenClawは面白いけど課題もある。そこに「ZeroClaw」というRust製の後継が出てきて、かなり期待してます。良かったところと気になったところ、両方書きます。
OpenClawとは
OpenClawは、AIを「自律的に動くエージェント」として動かすためのオープンソースのランタイムです。TelegramやDiscord経由で指示を出すと、AIが自分でファイル操作やブラウザ操作をしてくれます。
特徴的なのは「人格設定」の仕組み。SOUL.mdというファイルにAIのキャラクター設定を書くと、そのキャラクターとして振る舞ってくれる。ペットみたいな感覚で愛着がわきます。
OpenClawのよかった点
人格設計で愛着がわく
SOUL.mdにキャラクター名、口調、行動原則を書くだけで、AIに「人格」が生まれます。単なるチャットボットとは全然違う体験。毎日の定型業務を任せていると、相棒みたいな感覚になってきます。
ブラウザ自動化が強力
Webサイトのスクレイピング、フォーム入力、投稿作業を自動化できます。APIが用意されていないサービスでも、ブラウザを操作して対応できるのは大きい。
マルチチャンネル対応
TelegramやSlack経由で指示を出せるので、スマホから外出先でも操作できます。
OpenClawの課題
メモリ消費が大きい
Node.jsベースなので、常駐させると400MB〜1.5GBのRAMを使います。Mac mini(16GB)で他の開発ツールと併用すると、メモリがカツカツになる場面がありました。エージェントを複数動かすなんて夢のまた夢。
コストが思ったより高い
AIのAPI呼び出しが頻繁に走るので、気づくとAPIコストが膨らんでいました。リトライ処理が重なると特に顕著。日次でコスト監視する仕組みを自分で作る必要がありました。
セットアップが難しい
Docker環境の構築、APIキーの設定、チャンネル連携… エンジニアでもかなり時間がかかりました。「ちょっと試してみよう」の気軽さがない。
コールドスタートが遅い
起動に数秒かかるので、CLI的にサッと使いたい場面でもたつく。常駐前提の設計なので仕方ないんですが、軽快さが欲しいと感じていました。
ZeroClawの登場
2026年2月13日、GitHubのトレンドで「ZeroClaw」を見つけました。OpenClawをRustで完全にリライトしたプロジェクトです。
公開11日でGitHub 17,800スター超え。READMEに書いてあったスペックを見て「これは試すしかない」と思いました。
スペック比較
| 項目 | OpenClaw | ZeroClaw |
|---|---|---|
| 言語 | Node.js | Rust |
| RAM消費 | 400MB〜1.5GB | 約5MB |
| コールドスタート | 数秒 | 10ms以下 |
| バイナリサイズ | - | 8.8MB |
| ライセンス | MIT | MIT + Apache-2.0 |
RAM 1/100、コールドスタート10ms以下。しかもOpenClawの設定ファイルをそのまま移行できるとのこと。
OpenClawで感じていた課題がほぼ全部解決される可能性がある。
OpenClawとの互換性
驚いたのが、OpenClawの設定ファイル(SOUL.md、AGENTS.md等)をそのまま使える点。zeroclaw migrate openclaw コマンド一発で、メモリデータも移行できました。
$ zeroclaw migrate openclaw --source ~/.openclaw/workspace
✅ OpenClaw memory migration complete
Imported: 86
86件のメモリデータがそのまま移行完了。人格設定も identity.format = "openclaw" と書くだけで引き継げます。
実際に計測してみた
Mac mini(M2、16GB)にインストールして、メモリ消費を計測しました。
zeroclaw --help: 0.02秒 / 3.9MB
zeroclaw status: 0.01秒 / 4.3MB
RAM 4.3MB。OpenClawの400MB+から約1/100。公称の「5MB以下」は本当でした。
コールドスタートも10ms以下。コマンドを打った瞬間に結果が返ってきます。OpenClawの「数秒待つストレス」が完全になくなりました。
インストール自体もバイナリ1つ置くだけで10分で完了。Docker不要、依存関係なし。OpenClawのセットアップで半日かかったのが嘘みたいです。
使ってみた所感
良い点:
- とにかく軽い。Mac miniで他の作業と完全に共存できる
- インストールが10分で終わる(OpenClawは数時間かかった)
- OpenClawの資産をそのまま持ってこれる安心感
- 36プロバイダー対応で、ベンダーロックインがない
気になる点:
- v0.1.6なのでまだ荒削り。プラグインの移植が追いついていない
- セッション永続化がない(会話履歴はメモリ上50メッセージまで、再起動で消える)
- Homebrew tapが未対応(2026年2月時点)
- WhatsApp連携はソースからビルドが必要
ZeroClawに期待すること
低メモリで常駐が現実的に
5MBなら、Mac miniで10個以上のエージェントを同時に走らせても余裕。用途別にエージェントを分けるような運用が現実的になります。
$10デバイスでも動く
Raspberry Pi Zeroのような安価なデバイスでも動作可能とのこと。サーバーコストが劇的に下がる可能性があります。
36プロバイダー対応
Anthropic、OpenAI、Ollama、DeepSeek等に加え、任意のOpenAI互換エンドポイントも使えます。プロバイダーのロックインがないのは嬉しい。
まとめ
OpenClawは「AIエージェント」という体験を手軽に試せる良いプロダクトでした。人格設計の仕組みは特に面白い。
ただ、メモリ消費やセットアップの重さは実運用で無視できない。そこにZeroClawが出てきて、RAM 1/100・コールドスタート10ms以下・バイナリ1つで動くという解決策を提示してくれた。
まだv0.1.6なのでプロダクション用途には早いかもしれません。でもOpenClawの資産をそのまま引き継げて、移行のハードルが低いので、OpenClawユーザーは一度試してみる価値があると思います。
インストール手順はこちらの記事でまとめています。
ゆとラボでは、BtoBツールとAIの実験結果を発信しています。