Gemini CLI × Claude Code 併用ワークフロー——2つのAIを使い分けて開発速度を上げる実践ガイド
Google Gemini CLIとClaude Codeを組み合わせた実践的な開発ワークフロー。ファイル種別・タスク種別による使い分け判断基準、コスト比較、実際の設定例まで。どちらか一方に絞るより2つを使い分ける方が現実的な理由も解説。
エンジニアのゆとです。
「Claude CodeとGemini CLIどっちがいいですか」という質問を最近よく見る。
正直どっちがいい、という問いの立て方が間違っていて、使い分けることで両者の強みを引き出せるというのが3ヶ月両方使い続けた結論だ。
Gemini CLI の基本
まず知らない人向けにGemini CLIを整理しておく。
Gemini CLIはGoogleが2025年末にリリースしたターミナルから使えるAIコーディングアシスタント。Claude Codeと同じカテゴリのツールで、コードの生成・編集・説明・テスト生成などを自然言語で指示できる。
2026年時点での主な仕様:
| 項目 | Gemini CLI | Claude Code |
|---|---|---|
| 基盤モデル | Gemini 2.5 Pro | Claude Sonnet/Opus |
| コンテキスト上限 | 1M tokens | 200K tokens(Max: 1M) |
| 料金(個人) | Gemini Advanced: $19.99/月 | Claude Max: $100/月 |
| ファイル操作 | あり | あり |
| MCP対応 | 限定的 | 豊富 |
| 画像入力 | あり(マルチモーダル) | あり |
| 日本語サポート | 良好 | 良好 |
コンテキスト上限がデフォルトで1MというのがGeminiの最大の差別化ポイント。Claudeはプロプランで200K、Maxプランで1Mだが、Maxは月$100とコストが高い。
どう使い分けるか——3ヶ月試した結論
使い分けの軸は2つ:ファイルサイズとタスクの性質。
軸1: ファイルサイズ・コンテキスト量
小〜中規模(〜50Kトークン): Claude Code
大規模(50K〜500K+): Gemini CLI
具体的なケース:
- 大規模レガシーコードのリファクタリング → Gemini(コードベース全体を渡せる)
- ライブラリの全ソースを渡して動作を確認する → Gemini
- 1ファイルのバグ修正・機能追加 → Claude Code
- チャット形式でインタラクティブに設計を詰める → Claude Code
実際に試したケース:5万行規模のPythonレガシープロジェクトのリファクタリング。Claude Codeでやると何度もコンテキストが切れて /compact や /clear を挟む必要があった。Gemini CLIに渡したらコードベース全体を一括で把握した上でリファクタリング方針を提案してくれた。
軸2: タスクの性質
Claude Codeが向いているタスク:- MCP連携(データベース、ファイルシステム、外部API)
- HooksやRoutinesなどCC固有の機能を活用する作業
- セッションをまたいだ継続作業(CLAUDE.mdのメモリ設計)
- 複雑な指示を段階的に実行するエージェント的な使い方
- 大きなファイル群をまとめて分析・変換する
- 画像+コードを同時に参照する(マルチモーダル活用)
- Google系サービス(BigQuery、Sheets)との連携
- 初期のアーキテクチャ設計段階(大量のドキュメントを渡したい)
セットアップ
Gemini CLI のインストール
# npmで入れる
npm install -g @google/gemini-cli
# 認証(Googleアカウント)
gemini auth login
# または APIキーで
export GOOGLE_API_KEY="your-api-key"
起動は gemini コマンドだけでいい。初回はGoogleアカウントでのOAuth認証が走る。
設定ファイル
Gemini CLIはプロジェクトルートに gemini.md を置くことでコンテキストを渡せる。Claude Codeの CLAUDE.md と同じ発想。
.gemini/settings.json で動作をカスタマイズできる。
{
"theme": "dark",
"autoAccept": false,
"sandbox": false,
"checkpointing": {
"enabled": true
}
}
checkpointing を有効にすると、長いセッション中にチェックポイントを保存できる。大規模リファクタリング中にセッションが切れても途中から再開できる。
具体的な併用ワークフロー
ワークフロー1: 設計→実装の分業
大きなプロジェクトでよくやるパターン。
[Gemini CLI] コードベース全体を渡して設計・アーキテクチャレビュー
↓
設計ドキュメントを `docs/architecture.md` に出力
↓
[Claude Code] 設計ドキュメントを読んで実装・テスト作成
Geminiに「このプロジェクト全体を見て、〇〇機能を追加するなら何を変えればいいか設計書を書いてくれ」と依頼する。
Claude Codeで実装する時はその設計書を CLAUDE.md に参照パスとして書いておく。
# CLAUDE.md
## アーキテクチャ
設計書: docs/architecture.md(Gemini CLIで生成)
この設計書に従って実装する。変更が必要な場合は先に設計書を更新する。
ワークフロー2: 画像+コードの分析
GeminiのマルチモーダルをClaude Codeの作業フローに組み込む使い方。
ユースケース:デザインモックアップの画像からコードを生成する。
# Gemini CLIで画像を渡す
gemini "この画像のUIをReact + Tailwindで実装してください" --image mockup.png
生成されたコードをベースにClaudeで細かい修正・テスト追加をする。
Geminiの画像→コード変換精度は試した限りかなり高い。Claude Codeも画像を受け取れるがGeminiの方が自然言語での指示と画像の組み合わせが素直だった印象。
ワークフロー3: コスト最適化の分業
月額コストの比較:
| 用途 | ベストな選択 | 理由 |
|---|---|---|
| 大規模分析・一括変換 | Gemini CLI(Gemini Advanced $20) | 1M コンテキストが安価に使える |
| インタラクティブ開発 | Claude Code(Max $100) | Hooks/MCP/Routinesの充実 |
| 軽い質問・コードスニペット | どちらでも | 差がない |
両方使うと月$120かかるが、Claude Max 1本を $100 で使うより Gemini Advanced $20 + Claude Pro $20(= $40)で使い分けた方が、タスクによってはコスト効率が良い場合がある。
ただし Claude Max の Routines・Hooks・MCPの充実度を手放すのは痛いので、どちらを「メイン」にするかは作業の比重で決める。
Gemini CLI のつまずきポイント
3ヶ月使って気になった点も正直に書く。
認証が不安定になる時があるGoogle OAuthのトークンが切れて、作業中に突然「再認証してください」になるケースが数回あった。APIキー認証の方が安定している。
MCPエコシステムがまだ薄いClaude CodeはMCPサーバーの選択肢が豊富(1Password・PostgreSQL・GWS等)。Gemini CLIのMCP対応は2026年4月時点ではまだ限定的。
Hooksに相当する機能がないClaude CodeのHooks(コマンド実行前後の自動処理)に相当する機能がGemini CLIにはない。この部分で自動化フローを組みたいならClaudeを選ぶしかない。
日本語のコメントが英語に戻る場合がある長いセッション後半で、コード内のコメントを英語で書くケースが出てくることがあった。--lang ja のようなフラグはないので、指示に「コメントは日本語で」と明示する必要がある。
alias 設定で切り替えをスムーズに
# ~/.zshrc
alias cc="claude" # Claude Code
alias gc="gemini" # Gemini CLI
# ファイルサイズで使い分けるヘルパー
ai_pick() {
local size=$(wc -c < "${1:-/dev/null}" 2>/dev/null || echo 0)
if [ "$size" -gt 200000 ]; then
echo "Gemini CLI を推奨(${size} bytes > 200K)"
gemini
else
echo "Claude Code を使用"
claude
fi
}
まとめ
Gemini CLI と Claude Code の使い分けは「どっちが優れているか」ではなく「何に向いているか」の問題。
- 大規模コンテキストが必要な作業 → Gemini CLI(デフォルト1Mが安価)
- インタラクティブ開発・MCP・Hooks活用 → Claude Code
- 画像+コードのマルチモーダル → Gemini CLI
両方使うと月$40〜120かかるが、それぞれが得意な領域で使えば相互補完になる。どちらか一方に統一するという発想より、ツールボックスに両方入れておく感覚の方が現実的だと思う。



