ABLENETストレージ完全ガイド:チームで使えるクラウドストレージの実力
ABLENETストレージの料金・機能・制限を徹底解説。チーム利用やWebDAV対応など、他社比較を交えて実用面を掘り下げる。
エンジニアのゆとです。
「社内のファイル共有、そろそろGoogleドライブの容量きつくない?」——こういう会話、最近よく聞く。リモートワークが当たり前になって、クラウドストレージの選定は地味だけど避けて通れないテーマになった。
今回取り上げるのは、ABLENETのクラウドストレージサービス。VPSホスティングで20年以上の実績があるABLENET(株式会社ケイアンドケイコーポレーション)が提供しているストレージサービスだ。正直、ストレージ単体のサービスとしてはそこまで知名度が高くないので、実際どうなのか掘り下げてみた。
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ABLENETストレージとは何か
ABLENETストレージは、法人・個人どちらでも使えるクラウドストレージサービス。国内データセンターでの運用で、ファイルの保管・共有・バックアップに対応している。
特徴的なのは、WebDAVプロトコルに対応している点。これが何を意味するかというと、WindowsのエクスプローラーやmacOSのFinderから直接ネットワークドライブとしてマウントできる。専用クライアントをインストールしなくても、OSの標準機能だけでアクセスできるのは意外と便利だ。
もちろん、Webブラウザからのアクセスにも対応しているので、出先からスマホでファイルを確認する、といった使い方もできる。
ABLENETストレージ 公式サイトはこちら料金プランを整理する
ABLENETストレージの料金体系はシンプルで、容量ベースのプラン構成になっている。
| プラン | 容量 | 月額料金(税込) | ユーザー数 |
|---|---|---|---|
| ST10 | 10GB | 198円 | 3 |
| ST100 | 100GB | 555円 | 10 |
| ST300 | 300GB | 1,320円 | 無制限 |
| ST500 | 500GB | 1,958円 | 無制限 |
| ST1T | 1TB | 3,476円 | 無制限 |
ST300以上は複数ユーザーが無制限に追加できるので、チーム利用を考えるならST300が現実的なスタートラインだろう。月額1,320円で300GB、ユーザー無制限というのは、1人あたりのコストで考えるとかなりリーズナブルだ。
ちなみに初期費用は無料。契約期間の縛りも月払いならないので、試しに使ってみるハードルは低い。
Google Drive・Dropboxとの比較
「それ、Googleドライブでよくない?」という声が聞こえてきそうなので、主要サービスと比較してみる。
| 項目 | ABLENET ST300 | Google Workspace Business Starter | Dropbox Plus |
|---|---|---|---|
| 容量 | 300GB | 30GB/ユーザー | 2TB |
| 月額 | 1,320円(全員) | 680円/ユーザー | 1,500円/ユーザー |
| 5人チームの月額 | 1,320円 | 3,400円 | 7,500円 |
| WebDAV | ○ | × | × |
| データセンター | 国内 | グローバル | グローバル |
| API連携 | WebDAV | Google API | Dropbox API |
5人チームで比較すると、ABLENETの価格優位性が際立つ。Google Workspaceは1人680円だから5人で3,400円。ABLENETなら1,320円で済む。ただし、Google WorkspaceにはGmail・カレンダー・Meetなどが含まれるので、単純なストレージ比較だけでは判断しづらいのも事実だ。
純粋に「ファイル共有のためのストレージ」として使うなら、ABLENETのコスパは高い。逆に、Googleのエコシステムにどっぷり浸かっているチームが乗り換える理由は薄い。
チーム利用で気になるポイント
ユーザー管理とアクセス権限
ST300以上のプランでは管理者がユーザーアカウントを作成・管理できる。フォルダ単位でアクセス権限を設定できるので、「経理のフォルダはチーム全員には見せたくない」みたいなケースにも対応できる。
ただし、権限設定の粒度はGoogleドライブほど細かくはない。閲覧のみ・編集可、といった基本的な制御が中心だ。複雑なワークフローを組みたい場合は、もう少しエンタープライズ寄りのサービスを検討したほうがいいだろう。
ファイル共有リンク
外部の人にファイルを共有する場合は、共有リンクの発行が可能。パスワード保護や有効期限の設定もできる。取引先にデータを渡すときに、毎回メール添付するよりずっとスマートだ。
技術的な話:WebDAVの使い勝手
エンジニア目線で一番気になるのはWebDAV対応だろう。WebDAVはHTTPを拡張したプロトコルで、リモートのファイルシステムをローカルのように操作できる。
実用面でのメリットは大きい。
- curlやrcloneなどのCLIツールから直接操作できる
- cronでバックアップスクリプトを回せる
- CIパイプラインからビルド成果物をアップロードする、といった自動化が可能
- Windows/macOS/Linuxすべてでネイティブマウントできる
たとえば、rcloneを使ったバックアップなら以下のような設定で動く。
rclone sync /path/to/local ablenet:backup/ --verbose
専用APIやSDKを用意しているサービスと比べるとモダンとは言いがたいが、WebDAVは枯れたプロトコルだけに安定性がある。「動かなくなった」という事故が起きにくいのは運用面での安心材料だ。
一方で注意点もある。WebDAVはファイル単位のロック機構を持っているが、リアルタイムの共同編集には向いていない。Google DocsやNotionのように複数人が同時に同じファイルを編集する、という使い方は想定外だ。
バックアップ用途としての適性
個人的に面白いと思ったのは、バックアップ先としての使い方。
VPSやオンプレのサーバーを運用している場合、バックアップ先として別のクラウドストレージを持っておきたいことがある。ABLENETストレージはWebDAV対応なので、rsyncライクなツール(rclone等)で定期バックアップを自動化しやすい。
ST1Tプランで1TBが月額3,476円。AWS S3の東京リージョン(約$0.025/GB/月)だと1TBで月$25(約3,750円)なので、転送料を考えなければほぼ同等か少し安い。S3の従量課金に比べて定額なのは予算管理がしやすいメリットがある。
もちろん、S3には99.999999999%の耐久性やバージョニング機能など、ABLENETストレージにはない優位点がある。ミッションクリティカルなデータの保管先としてはS3に軍配が上がるが、「手軽にオフサイトバックアップを取りたい」程度の用途ならABLENETで十分だ。
正直に言うデメリット
良いことばかり書いても参考にならないので、気になる点も挙げておく。
- モバイルアプリがない。スマホからはブラウザアクセスになるので、DropboxやGoogleドライブほどのモバイル体験は期待できない
- リアルタイム同期クライアント(Dropboxのようなフォルダ同期)は非対応。WebDAVマウントで代替はできるが、オフライン時の挙動は異なる
- REST APIは提供されていない。WebDAVで大抵のことはできるが、モダンなSaaS連携(Zapier、Make等)を組みたい場合はひと手間かかる
- ファイルのバージョン管理機能がない。誤って上書きしたら戻せないので、重要なファイルは別途バージョニングの仕組みを用意する必要がある
これらが致命的かどうかは使い方次第だ。「チーム内のファイル共有+バックアップ」という用途に絞れば、大きな問題にはならない。
ABLENETストレージ 公式サイトはこちらどんなチーム・用途にフィットするか
ABLENETストレージが向いているのは、こんなケースだ。
- 少人数チーム(5〜20人)で、ファイル共有のコストを抑えたい
- 社内NASの代替として、クラウドに移行したいがDropboxは高すぎる
- サーバーのバックアップ先として、WebDAVで自動化できるストレージが欲しい
- データを国内に置きたい(コンプライアンス要件がある場合)
- Google Workspaceは使っているが、ストレージだけ別に増やしたい
逆に向いていないのは、
- リアルタイム共同編集が必須(→ Google Workspace / Microsoft 365)
- モバイルアプリでの頻繁なアクセスが必要(→ Dropbox / Box)
- 大規模チーム(100人以上)で細かい権限管理が必要(→ Box / SharePoint)
まとめ
ABLENETストレージは、派手さはないが実用的なクラウドストレージだ。WebDAV対応による柔軟なアクセス、ユーザー無制限プランのコストパフォーマンス、国内データセンターの安心感——このあたりが強みになる。
特にST300プラン(月額1,320円 / 300GB / ユーザー無制限)は、少人数チームのファイル共有には相当コスパが良い。GoogleドライブやDropboxの料金に疲れたチームには、一度検討してみる価値がある。
VPSで実績のあるABLENETが運営しているという信頼感もある。インフラ屋がやっているストレージサービスなので、可用性やデータ保全についてはそれなりの安心感がある。
まずは小さいプランから試してみて、チームに合うかどうか判断するのがいいだろう。
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